聖駿学園物語　特別番外編
〜今日は何の日？〜

　１２月２１日、柳浩太郎は元気よく登校した。
「おっはよーっ!!」
「おはよう、こう君！」
「実沙ちゃん、実沙ちゃん！今日は何の日だ〜？」
「えっ、今日？…今日は…あぁ、テレビでＫ-１をやるんだ!!」
「ぶっぶー！ハズレー!!実沙ちゃんって男の子みたいだね」
「えっ、えっ!?」
「あ、チャイム鳴ったよ！席つかなくちゃ」
「……こう君!?」

　休み時間、日直のこう君は大石先生のお手伝いをしていた。
「…はぁ…」
「大石先生、どうしたの？」
「いや…ちょっとね…」
「ふ〜ん。そうだ！大石先生、今日は何の日だ？」
「今日…？何の日だったかな？忘れちゃったよ…ハハハ」
「もうっ！クイズにならないよ！記念日とか忘れてたら奥さんに嫌われちゃうよっ!!」
「うっ!?」
「先生？大石先生ー？倒れちゃ駄目だよ〜？」

　お昼休み、中庭で璃奈様、イチ様とお弁当を食べていたこう君。
「イッ君、イッ君。今日、何の日だか知ってる？」
「もちろんだとも。今日はハニーが“イチ”と初めて名前で呼んでくれた記念すべき日だからね！あの時は天にも昇る思いだったね！」
「むーっ、違うよぅ！もっと大事なことー!!」
「何を言うんだい、これ以上素晴らしいことなど頭の中に微塵とないね！」
「いいもーん、イッ君のこと絶対にお義兄さんって呼ばないから！」
「なっ!?」
「こうちゃんっ!?」

　放課後になって、こう君は職員室に駆け込んだ。
「あっ!!いたー！滝川先生〜〜〜っ!!」
「あら、こう君」
「先生、今日は何の日だか…」
「はい、おめでとう」
「……これって、もしかして」
「今日はこう君の誕生日だったわよね。だからプレゼント」
「先生…!!だーーーーーーーい好き!!!!」
「ふふふ」

　こうして何名かの心に傷をつけつつも、こう君は無事に誕生日を迎えたのでした。

おしまい

あとがき

　お誕生日企画でこう君のＳＳＳを書いてみましたプラチナです。こう君はキャラがあんまり決まってなかったので悩んだですが、管理人の４コマの天然腹黒(？)でキュピーン!!ときてすらすら書けました。感謝、感謝。
　ちなみに大石先生は、朝に英子さん(奥さん)に“何の日だ？”と聞かれて答えられなかったため、ケンカをしてしまいました。何の日かって？二人の初デートの日ですよ☆
　さて、お誕生日第二弾で璃奈様・イチ様はやるのでしょうか？けっこう楽しみだったりします。特にイチ様！

　それではこの辺で。